2011年01月14日

1月8〜9日 アルパイン@Cairngorms、スコットランド

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Lochnagarの左半分. Shallow Gullyは写真一番左の壁。拡大すれば左のハング下雪ガリーの取付に2人が小さく見える。あの人たちは我らより右隣のShadow Buttressを登った。

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Creag an Dubh Lochの易しいEast Gullyの上部にて。

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Creag an Dubh Lochを抜けたクリス。

憧れのスコットランドの冬壁。ヨーロッパに行っているついでに格安航空会社利用で週末訪問。Edinburgh大学山岳部から友達のクリスと後2人でクライミングに行ってきた。面白いな〜と思ったのは、ピナクルにはたまに懸垂用の支点があったものの残置ハーケン・ボルトが全くないところだった。さすがナッツ発足の地だ。

1月8日 晴 Lochnagar: Shallow Gully IV,4 250m

アプローチ3時間ぐらい。ラッセルがほとんどないのはスコットランドのいいところだが、延々と続く平坦な登山道歩きは疲れる。白と黒の岸壁に着き、ガリーからのスピンドリフト(Spindrift, 風によって飛び舞わされる細かい雪。日本のと似てるが量は日本より多い)を浴びながらルートに取り付く。1P目、せっかくだからヘイキがリード。60mいっぱいのピッチでランナーが6つ取れた、うち2個泥甘い。クライムダウン、トラバースも強いられた。80度の凍った草付・岩・氷を15メートルランナウトで雪を浴びながら登ると、普通にRかR/Xをつけてもいいようなピッチだと思った・・ が、スコットランドではそういう記号がない。2P目もランナウトするがもっとやさしく、3P目以降はコンテで上まで抜けた。

日の入りとともにギアをしまい、星空の下3時間の帰り道。テン場でスパ・ペストを食べた。テン場まで車で来てるのにこんな夕食か・・ まともな宴会もせずに寝る。やはり、日本(少なくとも我が山岳部)の方が、幕営・食事文化がずっと発達していると思った。


1月9日 晴、後吹雪、後晴 Creag an Dubh Loch: East Gully II 200m

アプローチ3時間以上。出発の時は晴れるが途中吹雪いてくる。もう引き返そうかと悩んだが、とりあえず壁まで行くことに決定。岩に着いたら、天気が少し回復していたが、まだいまいちだったので易しいルートを登ることにした。ロープが要らないだろうと考えて、ロープとガチャを下にデポし、軽快にソロで登った。ルートの最中晴れてきて、最上部の雪庇を抜けたら青空のもと、真っ白な雪原に出た。スコットランドでここまで晴れるのがとても珍しいことらしい。降りて、氷のスラブで遊んで、発見しためちゃくちゃ恰好いい滝を見に行ったが登る時間がなかった(後でFuneral Fall IV,4だと分かって、最初からこれを登ればよかった)。
他の二人を2時間以上テン場で待ち、Edinburghに戻る。

翌日、町の山道具屋さんでトポを買おうとしたが在庫切れ。しかしPOD-Sacsの新しい40lサブザックを買った。見たことがある中で、大変良さそうで、ちゃんと使ってからレビューを書こうかな。

通していうと、スコットランドの冬壁は素晴らしすぎる。ルート数が半端ないし、オール・ナチゅプロだから未踏の山の予備練習に最適だし、アプローチも下降も、長いとはいえども平らなので危険こそが少ない。というか、壁の近くにキャンプすればいいだけの話である(禁止ではないが、なぜか現地の人はやりたがらない)。2〜3週間くらい遠征する価値は絶対にある。物価も日本、スイス等よりずっと安く、キャンプもただでできる。今度の冬、行きたい人イマセンカ?

--heiki
posted by sangakubu at 04:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 山行